中古マンションを購入するときは、目に見える部分だけでなく、配管などの見えない部分もしっかりと確認しておく必要があります。
配管には給水管と給湯管、排水管の3つの種類がありますが、それぞれどの程度の寿命なのか見ていきましょう。
また、寿命により劣化した配管は、誰が責任を持って修繕工事をするのか解説します。
配管状態の良い中古マンションを見分ける方法もご紹介するため、ぜひ参考にしてください。
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中古マンションの配管の種類
中古マンションでも新築マンションでも、配管の種類は給水管と給湯管、排水管の3つで変わりありません。
しかし、各マンションによって配管の素材は異なります。
中古マンションでは、金属を素材に使った配管が多く、経年劣化によりサビが生じ、水質や水圧に影響を与えることも少なくありません。
また、管が腐食して水漏れが生じることもあります。
まずは、各配管の種類について詳しく説明します。
給水管
給水管とは、各住居に水を供給するために水道局の配水管とつながっている管のことです。
築年数が古いマンションのなかには鉛管を使っていることもありますが、鉛の溶出などが指摘されているため、現在では禁止されています。
鋼管や樹脂管が主流のときもありましたが、現在ではサビに強く腐食しにくい樹脂管が一般的です。
給湯管
給湯管とは、給湯器で沸かしたお湯を浴室や洗面所、キッチンなどに運ぶ管です。
熱に強い耐熱性硬質ポリ塩化ビニルが用いられていることが多いですが、銅管やステンレス管を用いられているケースもあります。
しかし、銅管やステンレス管などの金属管は工事に手間がかかるため、近年では耐熱性硬質ポリ塩化ビニルが一般的です。
排水管
排水管は、排出される下水を下水道まで流す管のことです。
雨水やトイレ、その他の使用済みの水を区別して、別々の排水管で下水道に流します。
排水管にも給湯管と同じく、硬質ポリ塩化ビニルが用いられることが一般的です。
なお、キッチンや洗面所、浴室などで使った水を流す排水管を雑排水管、トイレの水を流す排水管を汚水管と区別できます。
中古マンションの配管の寿命
配管は素材によって寿命は異なります。
素材ごとの寿命と錆びやすさを表でまとめました。
素材 | 寿命 | 錆びやすさ | 特徴 |
---|---|---|---|
亜鉛メッキ鋼管 | 20年弱 | 錆びやすい | 1970年代までは使用されていたが、現在では使用されていない |
硬質塩化ビニルライニング鋼管 | 15~30年 | 錆びにくい | 錆びにくいため、使用されている建物が多い |
ステンレス鋼管 | 半永久的 | 錆びにくい | 耐久性が高い。ただし、パッキンは定期的に交換必要 |
硬質塩化ビニル管 | 50年以上 | 錆びない | 耐久性が高い。軽く、取り扱いが簡単 |
ポリエチレン管 | 40年 | 錆びない | 耐久性が高い。曲がりやすいため地震に強い |
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配管劣化してしまった配管の修繕について
配管の修繕責任は、配管の位置が誰の持ち物かによって異なります。
劣化した配管が共有部分にあるときと、マンションの区分所有者が独占して使用する専有部分にあるときに分けて見ていきましょう。
共有部分
共有部分にある配管に関しては、マンションの長期修繕計画に沿って補修あるいは交換が実施されます。
配管の素材に合わせた平均的な寿命で交換されることが一般的です。
なお、共有部分にある配管は、物件情報にパイプスペース(PS)と表記されています。
計画されたタイミングでパイプスペースにある配管を交換するか、新しく配管ルートを作って古い管を通さないかのいずれかが多いです。
専有部分
構造躯体コンクリートを配管が貫通しているタイプ(床スラブ貫通配管タイプ)と、構造躯体のうえに配管があるタイプ(床スラブ上配管タイプ)があり、それぞれ工事方法が異なります。
床スラブ貫通配管タイプは、共用部分に配管があると考えられるため、マンションの区分所有者の一存で交換できません。
匂いなどのトラブルがあるときは、管理組合に依頼して高圧洗浄などで掃除をします。
床スラブ上配管タイプは、床を剥がして交換することが可能です。
リノベーションをおこなう際にまとめて配管を交換できるでしょう。
交換する費用は30万円ほどですが、床や壁の解体をともなう場合は50万~100万円ほどかかることもあります。
配管の状態が良い中古マンションを見分けるには?
中古マンションを購入するときは、以下の2つのポイントに注目し、配管の状態が良いかどうかを見極めましょう。
- 修繕履歴と修繕計画を確認する
- 建物全体の管理状況を確認する
修繕履歴と修繕計画を確認する
中古マンションを購入する際には、今までどのような修繕工事がおこなわれたか確認しておきましょう。
定期的に配管交換をしているマンションであれば、配管の状態も良好だと考えられます。
また、今後どのような修繕計画を立てているのか、どの程度の頻度で配管交換をする予定なのか確認しておきましょう。
修繕計画が整っているマンションは、安心して長く住むことができます。
建物全体の管理状況を確認する
配管だけでなく、マンション全体の管理状況も確認しておきましょう。
優れた設備を導入しているマンションでも、管理状態に問題があれば早期に劣化します。
築年数が古いマンションでも、共有部分などの管理が行き届いていると、配管を含め物件自体の寿命が長くなるため、資産価値が低くなりづらいと考えられるでしょう。
まとめ
中古マンションを購入する際には、状態が良い物件がどうかを判断するために、配管がどの程度の頻度で交換されているか確認してみましょう。
配管の交換が実施されていない場合でも、配管の素材によって適切な交換計画があるのか、長期修繕計画を確認すべきです。
配管を含め管理が行き届いている物件は、いつまでも美しく、資産価値も低くなりづらいです。
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